ダックスフント

宮城県の亘理市は津波で壊滅状態のところです。そこをアセスメント調査のために車で走っていたところ、茶色いダックスフントがとことこ歩いているではありませんか。朝雨が降ったのでびしょ濡れではありますが、それほど衰弱していません。たぶん、捨てられたんでしょうか、首輪はあります。車から降りて逃げてしまったらしようがないと手招きしてみると、うれしそうにこちらに来て、手をぺろぺろなめます。こうなったらだめですね。ずっと抱きしめてあげて、保健センターに連れて行き、飼い主をさがしてもらうことにしました。
飼い主が現れなかったら、車を運転してくれた宮城の聴覚障害者団体のボランティアがもらっていいと言ってくれました。
このダックスが壊滅状態のところをなぜ歩いていたのかはわかりません。避難所で飼えなくなったのでしょうか、それともはぐれちゃったのでしょうか。
ダックスを抱いているときの暖かい体温と周りのめちゃくちゃな状態が、なにか心がぐるぐる回るような感じでした。

副会長 矢野 耕二