6月25日、26日の二日間にわたり、第5回研究大会を開催しました。
1日目は、定期総会のあと、シンポジウムを行いました。「総合的かつ継続的な支援を目指して」をテーマに、4人のシンポジストにそれぞれ自分の職場や支援など、思いや取り組みなどを語っていただきました。それぞれ現場からのお話でしたので、理論だけでは言いつくせないという感じがあり、改めて聴覚障害の特性に合わせた支援とは何かを考えさせられました。手話ができる、資格がある、というだけではない、という支援は何かを参加の皆さんに考えさせることができたかな、と思っています。参加者からは、もっと時間がほしい、という感想も寄せられました。
2日目は、被災地からの報告で、当協会の理事が地元宮城県での救援活動についてお話させていただきました。自身もしばらくは家族と会えなかったことや不安や恐怖感を味わったこと、その思いがこもった報告でした。聞いて、被災地の聴覚障害者の心情に思いをはせてしまいました。
次に、4名の方に発表をしていただきました。施設や支援者、企業の支援、教育の場、それぞれ異なる立場にいる発表者が聴覚障害者への支援、取り組みなどについてお話させていただきました。
支援の中でみえるものは、自立心、社会性、人権の尊重・・・聴覚障害者・児が人間らしく当たり前の人生を営むのは当然だと、強く感じました。
どれも、本当に素晴らしい発表でした。私にとって貴重な時間だと思いました。
この二日間で、シンポジウムと研究発表を無事に終えることができました。それを次回へつなぐ、大きなバネとなることを期待しています。
今年は東日本大震災救援という大きな事業があります。当協会のみならず、全日本ろうあ連盟、日本財団など、関連団体・機関などそして関係者のみなさまの大きな協力があってこそ、実践できると思っています。来年は報告ができたら、と思います。
まだまだ5回目の研究大会ですが、今後もさらに実りのある大会にしていきたいと思います。今後ともよろしくご指導お引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。
日本聴覚障害ソーシャルワーカー協会 会長 稲 淳子