「聴覚障害者の司法ソーシャルワーク」研修会(2019年2月3日)報告
2019年2月3日(日)社会福祉法人全国手話研修センター(京都市)にて「聴覚障害者の司法ソーシャルワーク」の研修会を開催しました。
罪を犯した聴覚障害者への支援をテーマに、司法関係者、ソーシャルワーカーなど専門職を対象に、司法と福祉との連携や更生支援などについて 研修会を開催するのは今回で3回目です。
罪を犯した聴覚障害者の再犯予防支援と社会復帰支援には、聴覚障害の特性を理解し、それにあわせた支援とスキルがどう生かされるか?それぞれの専門機関の立場から司法の連携の現状を出し合いながら、様々な意見や課題を話し合いました。
第一部
○活動報告「全国聴覚障害者相談支援事業・聴覚サポート「なかま」を通して、司法との連携を考える」
第二部
○講演 (社福)京都聴覚障害者福祉協会いこいの村聴覚言語障害センター 栗の木所長 木村 公之氏「出所した聴覚障害者の社会復帰支援に関わって」
○トークセッション パネリスト 木村公之氏、大阪弁護士会弁護士荒木晋之介氏、京都保護観察所保護観察官西原実氏、大阪地域生活定着支援センター相談員前坂千賀子氏。
触法障害者に対する支援の内容と流れの説明があり、聴覚障害者の事例は多くないし事例もあまり聞かないこと、弁護士からは、聴覚障害者とわかれば、すぐ手話通訳者派遣を依頼するが、日本語能力の差や重複障害があることについては、まだ理解が広まっていないことについて話されました。
また、刑務所内での情報保障についての実情や罪を犯した聴覚障害者の更生支援の現状など、トークを拡げた中味になりました。木村氏の話を踏まえて、支援者が孤立してはいけない、連携、協働ができるよう、我々は聴覚障害者の課題を社会へ提起していくのが必要、そのためにも場が必要と話がありました。
(参加者の声)
「事例があったので、イメージが持て、自分の持っているケースと重なり理解できた」
「事例を通して支援のあり方や支援者のジレンマを共有できた」
「現場のお話が聞けた。法律面のことも良くわかりました。もっと時間があればよかった。資料も豊富でした」
「連携、協働と言うのは簡単だが、専門機関同士のコーディネーションは特に聴覚障害者については難しい。自分も、いつも立ち位置が揺らぐ。そんなお話を伺えて良かった。情報もいただけた」
お知らせ
・日本聴力障害新聞 「日々の暮らしを自分らしく生きる」連載コラム
2018年4月号~ 司法に関しては、2月号、3月号掲載
・全国手話通訳問題研究会研修誌146号「ろうあ者の権利」障害者虐待防止法
・朝日新聞記事2月24日朝刊「聴覚障害者 精神科に入院50年」
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